強い香りとともに純白の大輪の花を咲かせ朝にはしぼんでしまう一夜限りの花・・月下美人。

その美しさは殺那的でも、力強くその命を見事に繋いでいくひたむきさには、誰もが感嘆符で表現するほどの花でもあります。

綿麻素材の白いシャツにプリントされた「白い月下美人」

その上から白い糸で刺されている刺繡の大輪の花は夜、暗闇で見事なまでに光り出す幻想的な月下美人が浮き上がってきます。その秘密は光エネルギーを一旦蓄えて自ら発光する糸を使って刺繡をしているためです。

この技術がニューヨークの9・11のビルの中の非常灯に使われていたならあの停電の中の一体どれだけの命が助かったかも知れないと想える光でもあります。文明の恩恵を受けてどんなものも手にしやすくなったとはいえ、明るい昼間に見る月下美人との出会いだけは、叶いそうにはありません。

蓄えた光が徐々に放出されるとその光は優しく閉じていきます。